ひなぎく心理ルームでは臨床心理学の立場から、いろいろな心の「悩み」や「葛藤」、「違和感」などに対してお話を充分にお聴きし、共に見つめ、整理しながらカウンセリングを進めていきます。
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バルテュス展 「鏡の中のアリス」
京都でも台風11号が我がもの顔で通りすぎていきました。
それはまるで「人知よりも天地こそが司る」と、おっしゃってますか?との思いになることでした。

台風は過ぎ去り、そして本日私は、美術館に足を延ばしました。

とても、とても、とってもよかったです。
入ってすぐのところにバルテュスのアトリエが再現されていて「あっ、これはとてもいい!」と思った私は、くるりと数歩後戻りして、音声ガイドを500円(笑)で利用することにしました。

一ヵ所、音声ガイドの内容にとても感動したところがありました。
解説されている絵は「鏡の中のアリス」解説の内容もさることながら、その絵から放たれる何とも言えない鋭さと繊細さと突き上げる何かが出てくるその奥深さに胸をえぐられる感覚を覚えました。
光を浴びせられて収縮している猫の目のようなその白目の奥にある凛とした空気感に圧倒されました。

「鏡の中のアリス」最初の個展で出品されたこの絵はさまざまな物議をかもしたそうです。そんな中でバルテュスの才能を高く評価していた劇作家アルトーがこの絵に対して述べたこと。その内容を音声ガイドから書き留めました。
<バルテュスは、まず光と形を描く。裸体は何かかわいて厳しく、また正確に満たされたもの、さらには残酷なといっておかねばならぬものをもっている。それは人を愛へとさそうが、しかしその危険を隠してはいない>

語られたこの文字の羅列の中に含みこまれた内容の深さを感じるのは私だけではないでしょう。すごいですね。
バルテュスが求める究極の美へ向かう、そこにある「真実」に向かう、その流れを見事に表しているのではないかと思うのです。
そこには語りえない、孤高の空気の中の世界があって、その空気に纏われながら一体となり最高の何かが引き出される、その静けさの中に激しく渦巻き、静と動が一体となった心的流れがそこにはあると感じます。
とてつもなく激しいにも関わらす、それはとてつもなく静かなのです。凝集されている。

そう、動的で不安定で最大限に激しく蠢く無数の粒子が、集中し凝集することによってその安定を獲得する、そういえるものなのかも知れません。

さて、「この辺で止めておきなさ〜い」と、私の中からのほほえましい空気感のつぶやきが聞こえましたので、短いですがここでお開きにいたします。


ご精読、ありがとうございました。


 
| 時事 | 18:14 | comments(0) | trackbacks(0)
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